2015年08月12日
発掘! オレオ神獣鏡
2015年8月、都内某所の遺跡から、弥生時代前期(紀元前600年ごろ)のものとみられる銅鏡が2枚発掘された。
この銅鏡は、2枚ともに表面に刻まれた文字が「OREO」と読めることから、「オレオ神獣鏡」と呼ばれている。
発掘された「オレオ神獣鏡」
よく知られたクリームサンドココアクッキー「オレオ」の図案の元になった可能性があるとして、弥生時代の日本から1912年のニューヨークまで、どのような経緯で伝わったのか、今後の調査が待たれる。
表面に刻まれた「OREO」の文字
2枚の「オレオ神獣鏡」は、直径約90mm、厚さ約10mmの青銅製。それぞれ同じ模様が刻まれており、蝶番のような構造によって、ちょうどオレオクッキーのように合わさるようになっている。
裏面(2枚目表面)
内側にあたる部分
2枚のうち1枚は、模様と反対の側が鏡として加工され、もう1枚は牛とみられる神獣の姿が刻まれている。牛の姿の神獣は、オレオクッキーのクリームを意味しているのではないか、という説も提唱された。
内側に刻まれた、牛とみられる神獣の姿
共に発見された装飾品などから、祭礼などの際に首から下げる形で使用されたと考えられている。
オレオ神獣鏡を首から下げた弥生人(再現)
以上、うそでした
以上のくだりはもちろん完全にうそである。
オレオの模様って銅鏡っぽいよな、と思い、作ってみたところ、想像以上に銅鏡であった。
素材は、ハーティソフトという軽量の樹脂粘土。紙粘土に近い感触だが、もっときめが細かい。
銅鏡なので、100円ショップで買った鏡の裏に粘土を盛ることにした。
オレオのあの模様作り
オレオの写真を撮り、トレースしてプリントアウトし、その上に粘土を盛って模様を作っていく。
今回一番苦労したのがここだ。なにせ細かい。
模様をひとつひとつ粘土でこねて貼りつけていると、写経しているような気分になった。
こんなにオレオの模様と向き合ったことは今までになかったし、多分これからもない。
ぐるりと配置された花の模様は全部手で作ると発狂しそうなので、ひとつ作って複製することにした。
おゆまる(お湯で柔らかくなる樹脂)を使い、型をとる。
出来た型に粘土を詰めて、花を複製。並べて貼り付けていく。
模様が出来たら鏡の裏に貼り付けて、片面が完成。
もう1枚も、もちろん複製して作成。
神獣を作ろう
片方は鏡なので、もう片方は何にするか。
名称を「神獣鏡」にしたかった(何かカッコいいから)ので、神獣を作ろう。
オレオに挟まっているのはクリーム。クリームの神獣といえば牛だろう。
日本では鹿などと違い、牛はあまり神格化されていないのかもしれない。ネットで探してもそれらしいものが出てこないので、古代エジプトの牛の姿の神様(詳細は不明)の像を元に図案を描き、マスキングテープを貼った板の上に粘土で形を作っていく。
乾いたら貼り付けて、形は出来た。
青銅の質感作りと塗装
銅鏡の表面のざらつきは、ジェッソ(絵画用の下塗り材)を筆ではたいてつける。
塗装は、まず下塗りから。
黒に少し茶色を混ぜたアクリルで下塗りすると、おお、でかいオレオだ。
このままでも面白いかも、と思ったが青銅器にしたいのだ。
緑青(銅のさび)の緑色や、銀色、銅色、部分的に金を入れて仕上げ。
アクリル絵の具を塗ったままだとぬめっとした質感なので、つや消しのラッカーをかけて質感を調整。
発掘された感じ、土の汚れを出すために、ジオラマで地面に使用したとの粉(木工用の目止め剤)に水と木工用ボンドを混ぜて軽く表面に塗布し、刷毛で落とす。
飾りにアクセサリーパーツを塗装したものと、粘土で作った石とあわせて紐に通し、完成したのが「オレオ神獣鏡」である。
右がオレオクッキー
緑青の色が思ったより沈んでしまったので、もう少し明るい色にすればよかった気もするが、概ね満足の出来だ。
イベント持ち込み
完成した「オレオ神獣鏡」は、7/30に東京カルチャーカルチャーで開催された「また、つまらぬものを作ってしまった 〜お台場番外編〜」に持ち込んだ。
おれの2大師匠である(と勝手に思っている)ラーメンズ片桐仁さんと、妄想工作家乙幡啓子さんのふたりがNOTTVでやっていた番組「また、つまらぬものを作ってしまった」のDVD発売記念イベントである。
ふたりがお題にそって「つまらぬもの」を作ってくるという番組内容で、DVDはもちろん購入した。おふたりのサインももらった。
そのイベントで、観覧者が作ってきた「つまらぬもの」を発表できるコーナーがあった。作品を持ち込んだのは15〜6人ほど。ひとり1分のプレゼン枠をもらえたのだが、みんな作品のことを喋りたすぎて大体時間をオーバーし、イベントの時間がかなり押してしまったようだ。
おれは「オレオ神獣鏡」の他に、先日片桐仁さんの個展「ギリ展」で賞をいただいた「あのウォッチ」を持っていった。
舞台上では時間に追われていたのと緊張していたので何を話したがあまり覚えてないが、「オレオ神獣鏡」の質感がすごい、とお褒めいただいたので、大満足である。
何か作るモチベーションが更に上がった。
こういうイベントがまたあるとうれしい。