2013年11月16日
なにか作りたくなるMaker Faire Tokyo 2013
11/3に、ものづくりのイベント「Maker Faire Tokyo 2013」に行ってきた。
Maker Faire Tokyoは、電子工作を中心に、工芸、手芸、プロダクト、アートなど、各種ものづくりをしている人達が集まり、各ブースにてそれを発表するというイベントだ。
Maker Faireというイベントがあることは以前から知っていたが、実際に行ったのは初めてだ。
何故今回行ったのかといえば、例によってデイリーポータルZが参加しているからである。
※デイリーポータルZとは、ニフティが運営する一番面白いサイト。
会場はお台場の日本科学未来館。ここも初めて行く場所だ。
館長はあの、スペースシャトルで宇宙に行った毛利衛さんである。
Maker Faire Tokyo 2013は、複数のフロア(と隣のタイム24ビル)で開催されている。
会場はとても広く、参加団体も多いので、全部見ようと思ったら1日では済まないだろう。
気になったものいくつかを紹介することにしたい。
3Dプリンタたくさん
3Dプリンタに対しては正直な話、懐疑的であった。
自由な形に出力できるってただそれだけでしょ?まだ実用レベルじゃないよね・・・という具合に。
ところが3Dプリンタの展示の多いこと。それも、ただ樹脂を出力するだけでなく、焼成すると金属になるもので出力したり(シルバークレイ的なイメージだ)、セラミックで出力したり、出力したものを加工してテクスチャを加えたりと、その表現力は想像以上であった。
3Dプリンタ本体も自作のものがあったり10数万で買えるものがあったりと、3Dプリンタはこれからどんどん一般化されていくのだろう。
写真はi.materialiseさん。様々な素材を3Dプリンタで扱っている。特に金属まで扱えるのには驚いた。
月面探査ロボットをタブレットで操作
写真はHAKUTOさんの月面探査ロボット(ローバー)。タブレットの傾きでコントロールできるようになっており、ちょこまか動くのがかわいい。
操作させてもらったが意外と難しかった。
実体化したスマホアプリ
なるほどと思ったのがこちら。「スマポン」という「触れるAndroidアプリケーション」。
企業ではなく、社会人二人のユニットで出展しているそうだ。
要はスマートフォンアプリの機能をガジェットとして外部化してしまおうというもの。
ガジェットをスマホに接続した時のみ、そのアプリが実行され、ID・PASSを管理するキーも兼ねているわけだ。
数人でスマホを共有したり、また旅行の際に必要なアプリだけ持っていくなどの使い方もできそう。まだ開発段階だそうだが、実用化が楽しみだ。
チャック開放注意
むろらぼさんの「イージスファスナーシステム」。
光センサーなどで社会の窓の締め忘れを防いでくれる。
ファスナーを上下するとLEDのバーが連動する。
社会の窓に実装したのは洒落だろうが、色々と応用の効きそうな仕組みだ。
そういえばデイリーポータルZでも、地主さんが「チャックの締め忘れ防止マシーン」を作っていた。性能は段違いだろうけども・・・
パンに文字をプリントする
FAB丁稚さんの「TOASTER PRINTER」。
食パンにドットパターンを焼き付けられるトースターの展示だ。
まだ開発中で、そこまで綺麗にはできていないものの、この必要のなさが素敵だ。
あと展示が手作りすぎるのも素敵。
デイリーポータルZチーム
デイリーポータルZからは林さん・べつやくさん・石川さん・さくらいみかさん・北村ヂンさんが参加。
目玉は林さんの「ヤンキープロジェクションマッピング」。
特攻服の背中に、刺繍の代わりにプロジェクションマッピングで文字を投影するというもの。
もちろん体験させていただく。帝里威法多留Z(でいりーぽーたるZ)、夜露死苦!
北村ヂンさんの「アタマウス」(マネキンの頭がマウスになっている)、さくらいさんの鬼やメデューサが並ぶブースはちょっと呪いっぽい。
そして石川さんの「醤油かけすぎ機」。西村さんのイベントレポートにもあるが、このイベントのポスターにも採用されたというデイリーポータルZチーム主力の機械だ。でも2日目には壊れたらしい。ちなみに隣にあるメガネ指紋つけ機もすでに壊れていた。
とにかく凄いボリュームだった。
人の役に立つことを目指したものはもちろんたくさんあったが、逆に徹底して役に立たないものも。凄い技術もあればちょっとした工夫もある。
実用品もあり、アートもあり。企業もいれば個人もいて、整然と並べてあるブースもあれば、雑然と投げるように置いてあるブースもある。
とても自由で面白いイベントだ。
凄い人がたくさんいたので、役に立つものを作るのはそういう人達に任せたい。
自分としてはそれこそ醤油かけすぎ機のような、役に立つことを拒否したものに惹かれてしまう。
私もなにか役に立たないものを生み出してみたい。
そんな気にさせてくれるイベントだった。