2013年10月16日
消しゴムはんこでダイオウイカを! 笑う、消しゴムはんこワークショップ
乙幡啓子さん。
デイリーポータルZにて初期から活躍しているライターさんで、工作の記事を中心に執筆。
それらをまとめた「妄想工作」「乙幡脳大博覧会」を出版されている。
ガチャガチャにもなった「ほっケース」の発案者でもあり、「妄想工作所」ブランドにて数々のプロダクトを実売している。
とてもクオリティが高く、かつバカバカしい工作を作る人。
以前からファンとして、イベントでご挨拶させていただいたり、サイン会に参加させていただいたりしていた。
乙幡さんの記事例はこちら。
デイリーポータルZ:長い!リュウグウノツカイ・マフラー
デイリーポータルZ:『黒ひげ危機一発』を和風に改造
デイリーポータルZ:フェイク「シルバースイーツ」を作る
今回、そんな乙幡さんの消しゴムはんこ入門書「笑う、消しゴムはんこ。」が発売になり、それに合わせて展示会と、消しゴムはんこのワークショップが開催されるとのこと。
これは行くしかない。そして消しゴムはんこもやってみたい!ということで、ワークショップに参加してきた。
会場は高田馬場の10° CAFE(ジュードカフェ)。
1、2階がカフェ、3階がフリースペースとなっており、そこで乙幡さんの展示会とワークショップが開催される。
名作の数々が目の前に
展示では、主にデイリーポータルZでの制作物、名作の数々。
餃子リバーシ
オセロじゃなくてリバーシなのは、オセロが商品名だから。
ケルベコス
地獄の番犬ケルベロスのごとく、三つ首の赤べこ。
粘菌マグネット
ギャラリーの柱に粘菌びっしり。
もなかプラモ
商品化して欲しい。
フリスクお守り
先日、東京カルチャーカルチャーでのイベント「おバカ創作研究所」で見て感動したやつ。
などなど、そのクオリティの高さを満喫。
消しゴムはんこワークショップ
さていよいよ、消しゴムはんこのワークショップである。
私の参加した回は、私の他に女性1人。
講師である乙幡さん1人に生徒2人という、贅沢なワークショップであった。
ちなみに乙幡さんがどんな消しゴムはんこを作っているかは、下記の記事を参考にしていただきたい。
デイリーポータルZ:クラブ活動:消しゴムはんこ部
この他に、般若心経を消しゴムはんこで写経するなど、他の人が普通選ばないようなモチーフの選択をする方なのだ。
今回のワークショップでは、使用する消しゴム板、デザインナイフなどの道具は用意していただけた。
教本は、乙幡さんの著書「笑う、消しゴムはんこ。」。
本には、乙幡さんオリジナルの図案がたくさん掲載されている。まずはここから下絵にする図案を選ぶ。
どれにしようか迷ったが、最近ブームの「ダイオウイカ」を選択。
足が多くて大変そうだけど、どうしても作ってみたかった。
もう1人の女性は「ダルマコンニャクウオ」を選んでいたと思う。2人とも深海だ。
図案にトレーシングペーパーを重ね、鉛筆でなぞる。
それを裏返して消しゴム板に重ね、上からこすると転写されるわけだ。
もちろん反転した状態になっている。
消しゴム板を適当なサイズで切り離し、デザインナイフで下絵の通り彫っていく。
まずは輪郭から。消しゴムはとてもやわらかいので、ナイフの刃がすいすい進む。
これがとても気持ちいい。ただし油断すると彫りすぎてしまうので、集中力が必要だ。
結果無言になってしまうが、しょうがない。
輪郭が掘り終わったら詳細へ。刃の深さを意識しながら彫っていく、このチマチマした感じが楽しい。
彫り終わったら、輪郭の外を彫っていく。ここまでくれば完成まであと一息。ワクワクする。
試し押しをして、気になる部分を修正し、ついに完成。
足と足の間など、細かい部分のカッター運びが難しく、ちょっと大味な部分はあるものの、大きな失敗はなく、うまくできた。
乙幡さんからも褒められたので、調子に乗ってしまいそうだ。
乙幡さんは、とても丁寧に教えてくれたし、帰り際、本にサインまでしていただけた。
とても楽しいワークショップだった。
教わったコツなどは、「笑う、消しゴムはんこ。」にも詳しく書かれているので、興味のある方は是非読んでみてもらいたい。
消しゴムはんこの作り方、使い方の詳しい解説や、ちょっと変わった図案集もあり、これから消しゴムはんこを始めたいという方にはおすすめの本だ。
早速やってみた
というわけで、教わったら早速やってみたくなるもの。
消しゴムはんこ作りに必要な道具はそれほど多くはない。
・消しゴム板(専用のものが東急ハンズなどで買える)
・デザインナイフ(もしくは彫刻刀)
・トレーシングペーパー(消しゴム板にセットでついてくるものも)
・鉛筆(トレース用)
・カッターナイフ(消しゴム板を切るため)
・カッティングマット
・スタンプ台(小さいものが使いやすい)
全部新しく揃えても3,000円前後で済むはずだ。
渡しの場合、消しゴム板やトレーシングペーパーはワークショップのあまりがあったし、デザインナイフは持っているし、ということで、スタンプ台だけ買ってきた。
さてモチーフをどうするか。
本から選んでも良いのだが、何か自分ならではのモチーフをやってみたい。
ということで、選んだのがこれ。
OLYMPUS PEN D。
愛用の、オリンパス製のハーフサイズフィルムカメラだ。
工業製品は難しい、ということに、あとで気づくことになるのだが。
まずは図案を書く。
やってみて分かったが、一番大事なのがこの図案である。
どこを凹にしてどこを凸にするか、意識しながらデフォルメしていく。
図案ができたら鉛筆でトレース。コツは鉛筆をとがらせること。いやそんなの当たり前なんだけど、尖ってない鉛筆だと線が曖昧になるから注意。このせいであとで苦労した。
下絵を消しゴム版にトレースしたら彫っていく。乙幡さんに教わったコツを思い出しながら。
しかし最初にずいぶん難しいモチーフを選んでしまったものだ。
同じ位の幅の真っ直ぐな線を彫るというのが意外と難しいのだ。
なんだかんだ後悔しながら、2時間ほどかかってしまった。
できたのがこちら。
2回目にしてはうまくできた・・・というか、うっかり、良い物を作ってしまった気がするぞ。
ポイントは露出計(レンズ上の窓)の再現性と、貼り革(持つ部分)のところをわざと荒らしてテクスチャにしている、という小賢しさ。
少し歪んだが、それも味になっているのではないだろうか。
消しゴムはんこ、楽しい。
彫っている間、無心になれるのも良い。
すっかりハマってしまい、その後もいくつか作り続けている。
これから、乙幡さんのことは師匠と呼ぶことにしよう!