2018年05月24日

作品を持っていざ香川 〜「また、つまらぬ物を作ってしまった 仏生山編」に参加してきた〜

作品を持っていざ香川 〜また、つまらぬ物を作ってしまった 仏生山編に参加してきた〜

2018年5月13日に香川県高松市の仏生山で開催された「また、つまらぬ物を作ってしまった 仏生山編」に参加してきた。
今までに6回参加している「また、つまらぬ物を作ってしまった」略して「またつま」。
片桐仁さん、乙幡啓子さん、たいがー・りーさんの3人が、それぞれ事前に発表されたテーマに沿った作品を発表し、さらに一般参加者も作品を発表して3人にコメントしてもらえる、というイベントである。

寛永通砲

香川ご当地ウェポン「寛永通砲・銭形」は、この「またつま」イベントでの発表のために作成した。
香川県の観音寺市にある「銭形砂絵」をモチーフにした、寛永通宝を飛ばす大砲である。
香川ご当地ウェポン「寛永通砲・銭形」完成までの経緯はこちら。

寛永通砲

「また、つまらぬ物を作ってしまった」は、元々はNOTTV(終了してしまった動画配信サービス)で、片桐さんと乙幡さんが投稿されたお題に対して大喜利のように工作で答える、という番組だった。
この番組のDVDを買ったのがきっかけで今のスタイル(造形寄り)での工作を初めたので、おれにとって片桐さんと乙幡さんは師匠である。

おれはこのイベントに、大阪開催された1回をのぞいた全ての回に参加している。
今回は香川県での開催ということで、旅行とセットで参加してきたのだ。
イベント前日に、作品の元ネタである「銭形砂絵」を見に行ったところ、陰影のできない時間だった、というわけである。

銭形砂絵

銭形砂絵を見て観音寺から高松に戻り、琴平電鉄に乗って金比羅山に向かおうとしたら電車の中に見覚えがある女性が。翌日のイベントのために仏生山に向かう乙幡さんだった。びっくり。

「また、つまらぬ物を作ってしまった 仏生山編」当日

観翠外

「また、つまらぬ物を作ってしまった 仏生山編」当日は雨。前日は晴れてむしろ暑かったのだが。
会場は今回イベントを主催する雑貨屋「TOYTOYTOY」さんの向かいの宴会場「観翠(かんすい)」。結婚披露宴をするような古き良き宴会場、という趣。でかい壺が飾ってある。

開場前に整理券を配布するとのことだったので、10:00過ぎに会場前に着くとすでに行列。
無事整理券を入手し、作品を預けて近くの仏生山温泉に入り、温泉の中でプレゼンのイメージトレーニングを。
黒蜜かき氷(うまい)も食べて、いざ会場へ。

出演者登場

登場はステージ下からのせり上がりという意外さに会場がさっそく沸く。
登壇者は片桐仁さん、乙幡啓子さん、たいがー・りーさんと、ゲストのフィギュア作家デハラユキノリさん。
まずは登壇者の作品発表から。今回のテーマは「香川」。

デハラユキノリさんは、香川に河童がいる池があるということにちなんで、中国の人形を改造したかっぱ人形。独自の作風が濃厚。
乙幡啓子さんの作品は香川といえばうどん、ということでうどんのスヌード(円形につながったマフラーのようなもの)、「スヌウドン」。羊毛フェルトのちくわ天や生卵のブローチ、頭には黄色い釜玉ならぬ「釜頭」を被るという手の込んだ作品。
乙幡さんの作品について詳しくはこちら。 うどんのスヌード、「スヌウドン」誕生 – デイリーポータルZ
片桐仁さんはやはりうどんがモチーフの作品。ソフビをイメージした「ウドンケンシュタイン」。時間が足りなくて背面は塗装していない、とのことだったがさすがのクオリティだった。

登壇者作品

たいがー・りーさんの作品は小豆島のエンジェルロードが恋人の聖地だということにちなんでキューピッドの矢対応のTシャツ。要は胸のところに穴が開いているだけなのだが、その妄想力とプレゼン力で会場をわかせていた。その次に発表していた男子の妄想ネタもすごかったが、とてもお伝えしきれない。

エンジェルロード
エンジェルロード。このイベントの翌日に小豆島へ行って実際に見てきた。

イベントの参加者は150人ほどだったそうで、熱気がすごかった。
一般からの作品参加者は10数名。またつまイベントでよく見る顔も。

一番盛り上がっていたのは造形作家の寒河江弘さんによる「野生のうどん」。香川県には野生のうどんがいるのでは、というプレゼンから入り、実際に捕まえてきたといううどんが動いた時には会場から悲鳴が上がった。イベント後にTwitterでも話題になっていた。

野生のうどん
寒河江弘さん作「野生のうどん」。ライトを当てるとうねうね動く。

発表中

おれの「寛永通砲・銭形」は発表後、会場に来ていた小学生男子に大人気で、同じテーブルにいた寒河江さんのうどんと勝手に戦わせられていた。
「小学生男子にもうける民芸品」というコンセプト通りではあるものの、彼らは容赦がないので壊されないか心配ではあった。

一般作品と審議中

一般の作品もそれぞれクオリティが高かった。いつもはだいたい、絵の具が乾いてないとか、粘土が固まっていないとか、昨日思いついて……とかいう人がいるのだが、今回はみんなしっかりと作ってきたという印象。

「香川」というテーマだったので、モチーフとして人気だったのがカマキリ先生こと香川照之さん。あの複雑な造形の顔が創作意欲を掻き立てるのかもしれない。

カマキリ先生人気

「自由演技」部門で印象深かったのが、ラストに出てきた株式会社鳥の社長さん。作品はダチョウの獅子舞で、ダチョウに乗るのが夢だと、デハラユキノリさんがダチョウの獅子舞に入って鳥社長をおんぶする、という謎の展開に会場が笑いに包まれた。

デハラさんのダチョウ

最後に登壇者それぞれの賞と、主催のTOYTOYTOY賞の発表。
賞はいただけなかったが、満足である。
約3時間、あっという間だった。

前回の「またつま」は大阪で開催され、遠慮の気持ちもあり参加しなかったのだが、今回思い切って参加してよかった。
久しぶりに、思い切り自由に作品が作れた気がして楽しかった。初めての香川県もいいところだったし。

次も地方開催だろうか。
今回作った「ご当地ウェポン」はシリーズ化したい。
これから地方で「またつま」が開催される度にシリーズに追加していくという計画だ。
早くも次回「またつま」が楽しみである。

うどん

讃岐うどんも美味しかった。香川県もまた来たい。