2013年04月18日

無人島と戦艦、そして東京湾一周の旅

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  • by 松本ジュンイチロー
無人島と戦艦、そして東京湾一周の旅

そうだ、東京湾を一周してみよう。
きっかけは、自分の勘違いによるダブルブッキング。
どういうわけか、学生時代の友人の結婚式の日程を勘違いして覚えており、
同日の、別の友人たちとの日帰り旅行のお誘いにOKの返事をしてしまったのだ。

いよいよ今週末は旅行、となったある日、友人から「今週末の結婚式で皆さんと会えるのを楽しみにしています」とのメール。
あれ、あれあれ。
切符の手配したって連絡来てたぞ。しまった!

かと言って貴重な学生時代の友人のお祝いを放り出して遊びに行くわけにも行かない。
ということで、旅行はキャンセルし、結婚式に出席。
当然、手配してしまった切符代は払わなきゃいけない。
今回は青春18きっぷでの旅だったため、1回分の青春18きっぷが手に入ることになったのであった。

※知らない人は滅多にいないだろうが、青春18きっぷとは、JRの電車(特急などを除く)に1日乗り放題×5回分の切符。18歳でも青春してなくてもいいし、5人で1度に使っても良い。

さて、どこへ行くか。
なにせ期限が切れるまで3日しかない(青春18きっぷには使用期限がある)。

困ったときの、人生の羅針盤。
そう、デイリーポータルZの出番である。
http://portal.nifty.com

色々な理由で日常を離れたかった(察してください)。
普段やらないことをやりたい。そうだ、船に乗りたい。
フェリーに乗れる場所で探してみたら見つけたのがこの記事。
1日で東京湾を何周できるか

ほう、東京湾1周できるのか・・・
東京から神奈川へ行き、神奈川からフェリーで千葉へ、そして東京へ戻る。
東京湾フェリー、ちょうどいいかもしれない。
と、布団の中で深夜、デイリーポータルZの記事を読みながら考えたわけである。
翌朝、珍しく少し早起きをして、高円寺の駅を出発した。
いざ、東京湾一周の旅へ!

青春18きっぷ

と、勢い込んで来たものの・・・
途中で気づいたのだ。あれ、このコース、来たことあるぞ。しかも何度か。
そう、交通手段と目的こそ違ったが(以前は友人の車で、別件だった)
既に東京湾1周ならほぼ経験済みだったのである。

来たことあるし、どうしよう。しかし、すでにフェリーの出る久里浜駅へ向かう電車に乗ってしまっている。
悩んでいるうちに、電車は久里浜駅に到着。
と、(たしか)駅前にあった案内板をふと見ると、「猿島行きフェリー」の文字が。

猿島?
どっかで聞いたことがあるぞ。最近読んだ。
無人島で確定申告

デイリーポータルZのこの記事でライター榎並さんが確定申告を行なっている島こそ、無人島「猿島」だったのである。
しかも今いる久里浜の駅からフェリーの出る横須賀中央駅まで10分くらいらしい。

これは行くしかない!
ということで、昼飯に入ったそば屋にカメラを置き忘れるなどのトラブルを乗り越えつつ
(そば屋のお姉さんが走って追いかけてきてくれました。すみません)、横須賀中央駅へ急遽向かうことに。

久里浜の蕎麦居酒屋 濱膳さん。いい店でしたよ。

お気づきだろうが、このへんバタバタしていて写真が一枚もない。

京急久里浜駅より横須賀中央駅は10分ほど。
次のフェリーまで時間がないため、横須賀中央駅より走る。
三笠公園を通りぬけ、三笠桟橋フェリー乗り場へ。
どうにか間に合った。

猿島までのフェリー往復チケットは1,200円。
フェリーは1時間に1本あるので、無人島だが交通の便はそれなりに良い。
「フェリーのチケット往復でください」って窓口で言ったけど、考えてみたら無人島への片道切符なんてない。

シーフレンド

この小さなフェリー、シーフレンド号で猿島へ向かう。
所要時間は10分程度。

デッキで海風に吹かれながら海の男ぶっていると、すぐに猿島が近づいてくる。

猿島外観

猿島桟橋

猿島は東京湾に浮かぶ無人島。
夏は海水浴やバーベキュー、キャンプの客で賑わうそうだ。
また釣りスポットとしても有名らしい。

猿島内

旧日本軍の要塞として使用されていたという歴史があり、島内には軍の施設の遺構がいくつか残っている。

トンネル
弾薬庫として使用されていたトンネル。

砲台跡
砲台跡。
これらの施設は島の外からは見えないよう、地形を利用して巧みに隠されている。

展望台
ちなみにここが、前述したデイリーポータルZの「無人島で確定申告」の記事で、確定申告を行なっていた場所。
展望台だが、階段が劣化しており現在は上に登ることはできない。
そして虫が多いので、オフィスには不向きである。

釣り人
あんなところに釣り人が。どうやって行ったんだろう?

猿島海

猿島は30分もあれば見て回れる程度の小さな島だ。
オフシーズンの平日だったため観光客は少なめ、天気がとても良かったので、無人島を充分堪能できた。

猿島

再びフェリーで三笠桟橋へ。
そのまま駅へ戻り、東京湾一周を続けても良かったのだが、どうしてもこれが気になる。

戦艦三笠

フェリー乗り場のすぐ脇にある、この戦艦。
記念艦として内部を公開している。よし入ろう。
入場料は一般500円。
(猿島フェリーのチケットで100円引きになる)

戦艦三笠

この記念艦「三笠」は、旧日本軍連合艦隊に所属し、旗艦として実際に日露戦争でバルチック艦隊と戦った、当時最新鋭の戦艦である。
実際に戦ったのだ。
これはすごいぞ。

機関砲
機関砲も残っている。

大砲
でかい大砲が後ろと前に2門ずつ。

操舵室
実際に戦った戦艦だけあって、重厚な作りだ。
これは操舵室の入口部分。数十センチある鉄板で覆われている。
敵の砲弾に耐えられるようになっているのだ。

戦艦三笠

戦艦三笠

と、夢中になって写真を撮っていたら、日が傾いてきた。
船室は資料館になっているが、今回は見る時間がない。
一瞬だけ、ここでもう帰ろうかな、と思ったが、やはり東京湾一周はしておきたい。
それに東京湾フェリーにも乗りたい。

再び久里浜駅に戻り、そこからフェリー乗り場へ向かう。
久里浜駅からフェリー乗り場へはバスが出ているのだが、ちょうどよい時間にバスがなく、徒歩で20分ほど。

パチンコ屋

フェリー乗り場の近くにあるパチンコ屋。てっきり廃墟かと思ったら営業していた。

東京湾フェリーは片道700円。自動車でも乗れる、大きなフェリーだ。
1時間に1本。千葉の金谷港まで、約40分ほどの道のりである。

東京湾フェリー

平日だったこともあり、客は数名。
デッキに出ると海風が気持ち良い。
大きな船、小さな船、様々な船とすれ違う。

フェリーデッキ

日が暮れていく海を眺めていると、あっという間に金谷港に到着。
あたりは既に真っ暗である。
真っ暗な中不安になりながら、最寄り駅浜金谷へ向かう。

この時点で、当初の目的、東京湾一周はまだ半分だ。
浜金谷から内房線で千葉へ向かい、千葉から総武線で都内へ向かう、約2時間半の行程が残っているのだが、これ以上は特に書くことがない。

なぜか。
疲れてずーっと寝てたからだ。

そんな、思いつきでの青春18きっぷの旅。
楽しかった。また是非やってみよう。

三笠ショッピングプラザ

横須賀中央の凄くレトロなショッピングプラザがなんかカッコよかった。