2012年11月26日

11/25 こうしん寄席

  • カテゴリー:落語
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  • by 松本ジュンイチロー

11/25(日)、私の所属する落語サークル「杉並江戸落語研究会」のイベント「こうしん寄席」が開催された。杉落研メンバーが10分おきに入れ替わり立ち代わり登場する、とてもテンポのよい落語会となった。

今回の出演者は全部で14名。「あんまり長々とやられては聞いている方が大変だ」という、主催者の杉落研会長、事例亭武蕉さんの実にもっともな考えで、ひとりあたりの持ち時間は10分。落語をやるにはかなり短い時間だ。

さて演目をどうするか。10分できちんと話になるもの・・・「猫の皿」はもうさんざんやったし、弟子に譲るとして、せっかくだから今までやったことのない「子ほめ」をやることに。

「子ほめ」は前座噺(入門してすぐの落語家さんがよくやる話)だが、私は初めて。どんな話かというと、口の聞き方をよく知らない八五郎が、物知りのご隠居のところで「人をおだてて奢ってもらう方法」を教えてもらい、さっそくやってみようとするが、にわか知識ではうまくいくはずもなく・・・という話。ふたりの人物の掛け合いが中心の話で、くすぐり(笑わせどころ)も入れやすいので前座噺としてよく演じられる。

さて、この「子ほめ」、何人かから聞いたことがあるなかで、音源を持っていた春風亭一之輔師匠のものをベースに早速台本を書き(必ず台本を書いてます)、流してみたところ15分以上ある。

あれ、長いぞ。
ということで、ばっさばっさとカット。
「顔色をほめる」「年をほめる」「赤ん坊をほめる」と三つほめるシーンがあるのだが、顔色はカット。おかげで八五郎が酒屋の番頭さんに道で会うシーンで、いきなり年齢を聞く。まあ八五郎の勘違いが強調されていいかな、と。

赤ん坊をほめる言葉としてご隠居が教えてくれる、「栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳(かんば)しく、蛇(じゃ)は寸(すん)にしてその気(け)を表すと申しますが、あたくしもこういうお子さんにあやかりたい、あやかりたい」という言葉。栴檀は双葉より芳しく、蛇は寸にしてその気を表す、というのは、優れたものは幼い頃からその優れた性質を持っている、という意味なのだが、これを八五郎が間違えて言うのがこの話の一番盛り上がるところ。

一之輔師匠は「洗濯は二晩で乾くかな、蛇は寸にしてメメズを飲むと。あたくしもこういうお子さんに、蚊帳釣りたい首吊りたい」と言っていたのだが、これを私がこのまま言っても面白くできないだろう、ということで、こんな風に変えてみた。
「洗濯は二晩で乾くかな(ここは同じ)、じゃあ寿司にしてその毛ガニも食べます。あたくしもこういうお子さんに、あやまりたい金借りたい」
実は、蛇は寸にして〜というのをどう変えるか悩んでいたところ、助言を貰ったのでここはそのまま使わせてもらいました。感謝!
あやかりたい、のところは、蚊帳釣りたいだと現代には伝わりにくいし、首吊りたいだとブラックすぎる、ということで、あやまってお金を借りたいという、より卑屈で図々しい感じに。
結果とてもわかりやすくなったと思っているのだがどうだろうか。なにせアマチュアだからこのあたり自由でいいよね。
あとはふたりの掛け合いをテンポで聞かせる話なので、そのへんを意識して。

さて、いざ自分の出番が近くなり(トリから二番目でした)、脇に控えて見ていたら。


↑こいつ。私の前の演者は、前回の介護施設でも一緒だった花伝亭武留(かでんていぶるう)。
この人がまあやたらテンションは高いし声は大きいし、いや、演目は「紙入れ」なんだけど、なんかすごかった(もちろんいい意味で!)。

だから少々やりにくかったものの、負けじと張り切ってやりました。
いや自分で言うのも何だけど結構受けてた・・・気がする。

やっぱり落語は楽しい!
来て下さった皆さん、協力していただいた皆さん、出演者の皆さん、お手伝い頂いた皆さん、ありがとうございました。

打ち上げで、2月に高円寺で開催される「高円寺演芸まつり」での企画の担当にされてしまったので、演芸まつり中に寄席を開催します。2/17(日)の予定。その際はまたぜひ、よろしくお願いします!

そうそう、その前に今週末、友人の結婚パーティーで落語をやるんだった!稽古しなきゃ。

最近は髪の毛が長い順風亭浪漫でした!