2015年12月07日
はじめての美少女フィギュア作り
造形を始めたからには、一度はフィギュアを作ってみたい。
そう思って美少女フィギュアの作り方の本を買った。
「フィギュアの教科書 原型入門編」という本だ。
この記事で作った「ダイオウ印鑑」がヴィレッジヴァンガード主催 第3回 雑貨大賞一次審査を通過しました。
美少女フィギュア。
漫画やアニメ、ゲームなどのキャラクターを立体にした人形。
店舗などで何度も目にしたことがあるが、その精巧な作りには驚くばかりである。
あれの原型を作る人を原型師というらしい。
今回買った本はその原型師の入門書という位置づけのようだ。
これを参考にして、美少女フィギュアを作ってみるのが今回の目標である。
キャラとポーズを考える
まずは作りたいキャラと、どんなポーズにするかを考える。
キャラはすぐ決まったものの、ポーズが難しい。
色気も欲しいし、可愛さも欲しい。そんなポーズ。
絵だと平面から上手く立体をイメージ出来ないのだ。
そもそも絵が上手くないと精巧なフィギュアって作れないのかもしれない。
絵の練習から始めなきゃいけないのかもしれないが、完成が数年後になってもしかたがないので、細かい部分は実際に作りながら決めることにして、先に進もう。
骨組みを作る
フィギュア作りには、エポキシパテを使用する。今回初めて使用した。
2種類のガムのような薬剤を合わせて練ると、数時間で硬化する樹脂だ。
2種類を合わせる前のパテに直接触れると肌がかぶれる可能性があるということで、100円ショップで買った薄手のゴムの手袋をつける。
パテを練る度に新しいのを使っていたら最終的に2パックの手袋(10セット)を消費した。パテ自体は最終的に1箱と1/4ほど使用。
まずはポーズを決めるための骨組みを作る。
頭となるパーツに手足となるアルミの針金を埋め込んだだけだ。
あとで実感したが、手順を間違えた。手となる針金(ピンク色の太いもの)を先に固定してしまったため、後の手順でかなり邪魔に。
この時点では固定せず、外せるようにして後から接着するのが正しかったようだ。
ポーズがかなり複雑なため、入念に調整する。
ここでポーズを決定してしまおうと考えていたからだが、後から散々調整したのでここではざっくりとで良かったかもしれない。
参考にした本によると、骨組みの時点である程度可愛く見えるようにするのがポイントらしい。
可愛く見えるだろうか。
可愛い?
うん、可愛い。
よし、次の行程に行こう。
パーツを作る
エポキシパテは、気温などにもよるが3時間ほどかけてゆっくり硬化していくので、固まりかけの状態で曲げて形を作っていくのが正解のようだ。
初めて扱う材料はいつも探り探りである。本やネットにも情報はあるのだが、実際の感覚はやはり扱ってみて覚えるしかないのだ。
針金で作ったポーズに合わせて足のパーツを成形していく。
胴体は、ある機能を持たせるため空洞にしたかったので、大きさがちょうど良かった単三電池にマスキングをテープを巻き、筒にして硬化させ、削って成形。
さらにその筒にマスキングテープを巻いてもうひと回り大きい筒を作る。
大きい筒の方は先をすぼめるように成形。硬化のタイミングを見誤ってしまい、思ったより固まっていて、強引に変形させようとして割れたりと苦労をした。
何とか先の尖った筒ができた。これが胴体の外側となる。
頭と胴体を合わせるとこんな感じ。
なんだかちっとも可愛くなくなってしまった気がするが、この後の行程で可愛くなると信じて進めていく。
口のまわりはかなり最終的な可愛さを左右するところだと思うので、詳細に。
別のパーツとして作った口を貼り付けて調整。
チャームポイントと言っていい、可愛らしいおちょぼ口が完成。
足の接着
足の組み立て作業に入る。
胴体と足を針金でつなぎ、ポーズを調節しつつ足を接着。
足を伸ばしたり角度を変えたり、途中で切って足先を入れ替えたりと、望みのポーズになるまでにかなり調整を加えた。
全体の形がやっと固まった。
マジックで位置の目印をつけたり、足を間違えないよう番号を書き込んだりしている上、つぎはぎで凹凸も多いのであまり綺麗ではない。
正直に言って、まだ可愛く見えない。
愛着は充分に湧いているけど。
形の仕上げ
全体の凹凸をなくすため、カッターで削り、紙やすりで磨く。
力を入れすぎて足先が折れたり、いよいよ腕の針金が邪魔になったりと、色々苦労した。
目を入れる。キャラの特徴が出る大事な部分だ。
輪郭を削って凹ませ、なめらかに削る。
サーフェイサー(溶剤に溶いてあるパテ。表面の細かい凹凸をなくす)のスプレーをかけて再度磨き、仕上げに再度サーフェイサーをかけた。
スプレー用の土台は酒瓶。
一時は心配したが、かなり可愛くなったのではないだろうか。
あんまり可愛いので、つい色々な角度から写真を撮ってしまった。
完成が楽しみだ。
サブキャラ作りと塗装
サブキャラも同じように作成したら、いよいよ塗装開始。
メインキャラは金色のスプレー塗料をベースに、赤とオレンジと白を使用。
サブキャラはオレンジのスプレー塗料をベースに赤でアクセントを入れる。
おれは基本的にのんびり屋だと思うのだが、母親譲りのせっかちな性格がなぜかこういう時に出てきてしまい、塗料が乾くのが待てず、乾き切らないうちに次の塗装を始めてしまい、結果汚れたり塗料が剥がれたりして塗装しなおしになる、など無駄な手間をかけてしまった。
ちなみに母がどれくらいせっかちかというと、餃子がいつも生焼けで出てくる程度だ。焼きあがるまで待てないらしい。
紆余曲折を経て、塗装も完了。
イカです
完成したのがこちら。
ダイオウイカとメンダコである。
いずれも人気のある深海生物だ。
美少女フィギュアの教本を買ったものの、特に作りたい美少女キャラもいなかったので、他に作りたいもの……と考えた結果イカとタコになった。
足の数が10本もあるイカは、初心者には全く向いていない題材であることは作成途中で気づいた。
ダイオウイカは印鑑ケース、メンダコは朱肉ケースになっている。
名づけて「ダイオウ印鑑&メンダ判子」だ。
口(いわゆるとんびの部分)も足の真ん中に。
吸盤は、触腕(2本の長い足)の先のみに作成。他の足は省略した。
美少女ではないものの、可愛く作れて満足している。
むしろその辺の美少女なんかよりずっと可愛いのではないだろうか。
イカ可愛いよイカ。タコも。
今回は原型にそのまま着色したが、フィギュアとして販売などをする場合はシリコンで型を取って複製するそうだ。それもいずれは挑戦してみたい。
「ダイオウ印鑑」がヴィレッジヴァンガード主催 第3回 雑貨大賞一次審査を通過しました。
投票いただいた皆様、ありがとうございました。