2015年11月08日

自撮り棒でかんたん水中撮影

自撮り棒でかんたん水中撮影

自撮り棒を買った。
何で買ったのかは覚えていない。酔ってアマゾンを見ていたのかもしれない。
自撮り棒。カメラやスマートフォンにつけると、ちょっと離れた位置から自撮りできるようになる棒だ。
セルフィースティックとかセルカ棒とも呼ぶ。

伸縮するようになっており、縮めると20センチくらい、伸ばすと1メートルと少しくらいある。
三脚用のネジがついていて、コンパクトデジカメを設置して自撮りをする想定のようだ。一眼レフを設置してみたら重すぎて折れそうになったのでやめた。

自撮り棒

おれが最初に自撮り棒を知ったのはインターネットでだったと記憶しているが、海外ではともかく日本でそんなもん流行るかよ……などと思っているうちにセルフィー(自撮り)の流行に伴い、あれよあれよという間に日本でも受け入れられ、主に観光地などで、若者、特に若い女性が使用しているのをよく見かけるようになった。

しかし買ったはいいものの、これをどう使おうか。
自分は30過ぎの男性で、自撮りをFacebookにアップするようなキラキラした習慣を持ってはいないし、そもそも自撮りが好きではない。自分ひとりで自撮り棒を使って撮影するシチュエーションが思いつかないのだ。おれの人生、キラキラしてない。

考えているうちに、ふと思いついた。
自撮り棒に防水カメラをつけたら、手軽に水中撮影ができるのではないか。
ちょうど、以前買った防水カメラがある。
たい焼きを泳がせた時に使って以来、使い所に困っていたところだ。

水中自撮り棒の準備

自撮り棒そのままでは、カメラの設置角度の関係で水中撮影は難しそうだ。
本来は上に向けて使う自撮り棒に、カメラを逆向きに設置して、自撮り棒を下に向けて使いたいのだが、カメラまで下を向いてしまい、海底しか撮れないだろう。

角度の問題

そこで、東急ハンズでこんな部品を買ってきた。
本来はカーテンレールなどを取り付けるのであろう、L字型の部品だ。

L字部品

自撮り棒の先にL字型の部品をつけて、カメラの三脚用のネジと規格が合う、1/4インチネジとナットでカメラを固定。
それだけだとカメラが回りやすく、固定できないので、カメラと部品の間にゴムの板を接着してみた。

カメラを固定

これで、海底とカメラを水平にできる。
これを持って海に行こう。
ちょうど沖縄旅行のタイミングだったので、沖縄の海で試してみたい。

石垣島の海に来ました

自撮り

石垣島までやってきた。せっかくなので普通に自撮りを。
神妙な顔をしているのは、この時台風が来ていて風がすごく強かったから。

自撮り棒にカメラを設置して、早速水中撮影してみよう。
セルフタイマーをセットし、カメラを海の中にそっと入れる。

自撮り棒セッティング

なんか暗い

水中撮影
あれ、何か暗いな…

よく見ると小さく魚が写っている(この記事を書いていて気づいた)が、全体的に暗い。
もう一度だ。生き物のいそうな磯の岩陰ならどうだろうか。

暗い
ダメだった。暗すぎる。

考えてみれば当然だ。
セルフタイマーはシャッターボタンを押した時の明るさや距離などに合わせてカメラが設定される。
そのまま水に入れれば、暗かったりピントが合わなかったりするのも当然である。そんな使い方は想定されていないのだ。

動画ならどうだ

水中の写真撮影は無理とわかって、がっかりだ。
せっかく沖縄、石垣島まで持ってきたのに。

そうだ、動画ならいけるのではないだろうか。
動画だったら、カメラがオートで明るさやピントを調整してくれるはずだ。

さっそく動画モードにし、録画ボタンを押して水中へ。
カメラを岩に沿うように動かしてみて、水から上げて確認。

魚だ。ちらっとだが魚が映っている。
上から見た時は分からなかったが、岩の下に少しスペースがあり、小さな魚が隠れていたのだ。
写真がダメだったので期待していなかった分、なんだか少し感動してしまった。ひとりだったが「おおっ」と小さい声で叫んだ。

水中撮影キャプチャ
動画のキャプチャはこちら。画面の端っこだが魚が。

水中自撮り棒、動画ならいける!

もっと試そう水中自撮り棒

翌日、石垣島からフェリーで竹富島へ。もちろん水中自撮り棒持参である。

西桟橋

竹富島の西桟橋の脇で、海中にブロックのようなものがあるのが見えた。
あの陰に何かいそうじゃないか。
水中自撮り棒で、ブロックの陰を撮影してみる。

少し濁りがあって見づらいが、やはり魚がいた。
が、カメラに驚いて逃げていってしまった。
なんだか罪悪感がある。驚かしてすまない。

水中撮影キャプチャ
動画のキャプチャ。ちょっと暗いが魚の群れが。

この撮影をしていたら、近くにいた男女カップルの女性のほうが「いいなあ! 自撮り棒持ってくればよかった」と羨ましがっていた。どうだ羨ましいだろう。君たちもひとりで来て自撮り棒振り回してみればいいよ。

……気を取り直して、今度は砂浜から歩いて行ける、膝下くらいの深さの所で、歩きながら海中を撮影してみる。

膝下

防水カメラを持って腕を海中に突っ込めば撮影はできるだろうが、姿勢的に歩きながらでは難しいだろう。その点、この水中自撮り棒であれば、楽な体制で歩きながら水中撮影ができるというわけだ。

何か所か歩きながら撮影してみると、時々カメラの前を魚が横切っていた。
膝下くらいの深さでも、場所によっては魚が結構いるのだ。

水中撮影キャプチャ
動画のキャプチャ。すぐ足元にこんな魚が。

水中撮影キャプチャ
水上からでも少し見えた、小さな魚の群れ。ちらっとしか映せなくて残念だ。

思ったよりカメラの移動が早く、魚がちらっとしか映らなかったので、もう少しゆっくり歩けばよかったかもしれない。
また、撮影に夢中になって、少し深くなっているところで転びそうになったので足元には要注意だ。ポケットに入れてあったiPhoneが危うく水没するところだった。

工夫次第で活用できそう

自撮り棒での手軽な水中撮影。水上からでは見えなかった魚などの姿が映るとすごく楽しい。
カメラの角度に気を使う、なるべくゆっくりカメラを動かす、など、工夫は必要だが、磯遊びなどで活用できそうだ。

磯の撮影

自撮り棒は、使用後に真水で洗って乾かしておいたものの、連日使用したためか、やはり少し錆びた。
その辺りが改善された、水中撮影専用のものが商品化されるといいのだが。

もし商品化されたら、水中自撮り棒御殿が建つかもしれない。
というわけで商品化のオファーお待ちしております!

小浜海岸

台風の影響も思ったほどではなく、竹富島も小浜島も最高でした。また行きたい。小浜島は奇岩がたくさんあって楽しい。