2015年02月24日
バレンタインに「スイーツ枯山水」
バレンタインデーという日がある。2/14に、女性から男性にチョコレートを送るという、不可思議な風習だ。
噂によると、世の中には本命チョコなんていうものがあるらしい。
通常、バレンタインデーにやりとりされるチョコレートは、義理チョコと呼ばれる、コミニュケーションの一形態、年賀状などと同じ挨拶の類だが、その本命チョコというのは、女性から男性への愛の表明をチョコレートに託したものだとのことだ。
※イメージです。
そういうものは実際には見たことがないので、実在するとははっきり言えず、おそらくごく限られた地域の文化か、都市伝説の類かと思われるものの、とかくこの日周辺は男性諸氏にとってそわそわしがちな時期であるといえよう。
しかし、これではいけないのではないか。うっかりするとおれも、女子社員から義理チョコを貰えるということに甘え、それが男性社員全員対する挨拶だということをあえて捨象し「おれもまだまだいけるな」なんて思い込もうとしているおっさんになりさがりかねない。完全に想像だし、そもそも会社員じゃないけど。
バレンタインデーごときに振り回されてはならないのだ。心を静かに保たねばならない。そんな時は禅の力を借りよう。枯山水により精神の安定を図るのである。
枯山水とは
前置きが長くなりましたが本題です。
「枯山水」というボードゲームが最近流行らしい。
その名の通り、枯山水(かれさんすい、かれせんずい)を題材にしたゲームだ。
ゲームの内容についてはここでは触れないので、興味があれば調べて欲しい。
枯山水とは、日本庭園の様式のひとつ。水を使わず、砂や石で山水の風景を表現するもの。禅宗寺院などに用いられ、京都の大徳寺や竜安寺のものが有名。
要するにバレンタインに敗北したやるせない気持ちを枯山水で克服しよう、という試みである。
和菓子の枯山水はすでに販売されていたことがあるようだが、せっかくのバレンタインだから、チョコレートなどの洋菓子、いわゆるスイーツで、枯山水を表現したい。
スイーツ枯山水とは
まず完成形から見てもらおう。
全てスイーツで作った枯山水式庭園である。
眺めていると、心が静かになってくるだろうか。
枯山水を表現するスイーツは以下。
当然、バレンタインに貰ったものはひとつもない。
すべて自前である。
手作りのブラウニーによる大地に、抹茶で苔を。
ブラウニーのレシピはネットで探せばいくらでも出てくる。
手作りの抹茶パウンドケーキで木々を。
シフォンケーキにしようと思っていたがシフォンケーキ用の型がなかった。
石にそっくりなチョコレートは山を表す石に。
アマゾンで購入可能だ。
ココアパウダーは水を表す砂地を。
これらを使って枯山水を表現していきたい。
「スイーツ枯山水」の作り方
まずは枯山水のベースとなる皿を選ぶ。あまり大きすぎず、主張の強くないデザインのものがいいだろう。皿と向き合い、精神を落ち着かせよう。
どんな風景を描くか想像してみることが大切だ。
ココアパウダーで砂地を作る。量が少ないと波紋を引いた時に皿が見えてしまうので、それなりの量を撒き、ある程度平らにならす。
ブラウニーを適当な大きさにちぎり、島を作る。
ココアパウダーの中に少し埋め込むようにするのがポイント。
ブラウニーの大地を抹茶で苔むしたように。
ブラウニーの大地の上やココアパウダーの上に、抹茶パウンドケーキの木々を配置。
チョコレートの石を、全体のバランスを見ながら配置する。
石の色は揃えてもいいし、変えてもいい。自分の描いた風景に合うものを選ぼう。
ココアパウダーの砂地に、フォークで波紋を描く。
まずは全体にまっすぐ。その上から、石などを囲むようにぐるりと波紋を描く。
精神を集中させ、注意深く行うこと。島や石にフォークが当たると動いてしまう。
納得の行く形になったら完成である。
納得が行かなければ、配置からやり直すこともできる。
これが「スイーツ枯山水」だ
幽幻な風景が見えてくるはずだ。粗が見えにくいように深度を浅くしているのは指摘しないでいただきたい。
皿の形や大きさを変えてみるとまた違う雰囲気になる。
皿は大きすぎても難しいし、小さすぎても難しい。
あなただけの枯山水が完成する頃には、心はすっかり静まっているだろう。
あるいはうまく出来なくてイライラしているかもしれないが、それは己の未熟さ故である。うまくいくまで何度でもやり直せばいいのだ。
バレンタインデーだってまた来年も来るのだから、焦る必要は何もないのである。何ひとつないのである。今はただ心を静かに保ち、その時を待てばいいのだ。一度や二度の敗北で諦めることはないじゃないか。