2013年12月25日
10万円フルーチェ
もしあなたの手元に、自由に使っていいお金が10万円あったら何に使うだろうか?
その人の好みがはっきりわかる質問だ。
ファッション、PC、食べ物、ゲーム、カメラ・・・
人によって色々とあるだろうが、私の場合は、フルーチェである。
フルーチェとは
フルーチェのことは皆さんご存知だろう。
ハウス食品の、牛乳と混ぜるだけでプルプルのデザートになるという夢のような食品だ。
そういえば長いこと食べていないと思い、ひとまず買ってきて作ってみた。
作り方は書くまでもなく混ぜるだけ。久々に食べたが、やっぱりうまい。
ババロアほど硬くもなく、ヨーグルトほどドロドロでもなく、このプルプル感が素晴らしい。
子供時代、みんな大好きだったはずだ。
たくさん食べたいと思ったはずだ。
フルーチェ10万円分
近所のスーパーの価格で、フルーチェ1箱は139円。牛乳1リットルのパックが158円。
フルーチェは200mlの牛乳を使うので、牛乳1パックにつきフルーチェ5箱が必要になる。
このセットを10万円分買うと、117セット。
つまり牛乳117パック、フルーチェ585箱である。
つまりこれだけの量だ。
実際に作ってみると、その量はおよそ234リットル。
120リットルのポリバケツ2つが概ね一杯になる量だ。
フルーチェ一箱が4人分なので、10万円分だと2340人分。
イタリアのコムーネ(共同体)の一つ、オルセニーゴの住人全員にフルーチェを振る舞える量である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/オルセニーゴ
もしくは、2013年の3/16に、ギネスブックの掲載を狙ってメキシコに集まったシェフ全員にデザートとしてフルーチェを振る舞える。
http://www.afpbb.com/articles/-/2934589
あるいは、2012年にリコーが募った希望退職に対して集まった人達全員に「おつかれさま」と言ってフルーチェを振る舞えることになるのだ。
http://media.yucasee.jp/posts/index/10306?la=bn03
・・・さて。
無理
勘の良い皆さんはすでにお気づきだろうが、さすがにフルーチェを10万円分購入することは断念した。食べきれないし。
だけど10万円分のフルーチェをどうにかして実感したい。
足りないものは工夫で補う。
人類はそうやって進化してきたはずだ。
だから10万円分のフルーチェを作ることにした。
まずスキャンしたフルーチェのパッケージを並べたデータを作る。
これを紙に印刷。
所有しているプリンタの出力サイズがA3までなので、A3に印刷したものを切り貼りする。
そして段ボールに貼り付けていく。
マゼンタとイエローのインクをまるまる1本ずつ消費したとか、スティックのりを3本消費したとかいう困難はあった。
できたのがこちら。
これが10万円フルーチェである。
牛乳も同じように、印刷したものを段ボールに貼った。
牛乳と混ぜてみたものも、円形に印刷して段ボールに貼り付け、切り抜く。
これでポリバケツに蓋をすれば、フルーチェが入っているように見えるはず。
思ったほどじゃない
あれ、思ったほど見えないな、これ。
まず貼った紙がよれよれなこと、微妙にずれていること、変な隙間があること・・・粗を探せば色々ある。
そしてでかい。さすが10万円分。
ひょっとしてごみを作ってしまったのではないか。
そう思ってしまったら負けだ。
私はそっとダンボールをたたんだ。
そうしたらますますごみっぽくなった。
やっぱりごみなんだろうか。
この記事はSchoo(スクー)のWeb授業「【デイリーポータルZ生企画会議】日常の“おもしろい”を切り取る方法」の課題を元に作成したものです。
好きな単語を2つ組み合わせて企画のタネにしよう、といった議題で出た「10万円+フルーチェ」を形にしてみました。